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東京マラソンの不思議。リタイアランナーを乗せる「収容バス」、なぜ「はとバス」が担うのか? (2/3)

「収容バスは、ほぼ全車同じ仕様の観光バスです。数年前からエンジンが環境にやさしいハイブリッドバスで運行しています。バスガイドは同乗しませんが、ドライバー2名体制で1台のバスに乗務しています。7時間という時間の中、交代で運転します」

 とは、東京マラソン2017で収容バスの運転を担当したドライバーの三角幸生さん。収容バスには最後尾ランナーの後ろを走るバスと関門で待機するバスがあり、はとバスでは走るバスを「収容バス」、待機するバスを「関門バス」と区別して呼称しています。

▲過去4回の収容バス乗務を経験する三角さんは、関門バスと収容バスどちらも担当しているとのこと

「今年の大会当日は全部で59台のバスを配車しますが、すべてが同じ行動をとっている訳ではなく、バラバラです。関門ごとに待機バスの台数も違います。都庁への配車が一番早く、関係者を運ぶために15台を朝6時には配車します。」(石川さん)

《東京マラソン2018 関門と閉鎖時間》

 各関門に待機するバスの台数は、当日の状況によって変動するのだそう。満席になれば閉鎖時間前でもバスはフィニッシュエリアに向けて出発し、リタイアするランナーが多く出た関門へは応援バスの配車も。また、ランナー最後尾を走る収容バスのランナーに各関門で関門バスに乗り換えてもらい、ランナーの輸送を迅速にできるように配慮。すべてのバスが効率的かつスムーズに稼働しするよう本部がコントロールするのだそうです。

「当日は、リタイア者が多い関門を予測して本部からバスの配車を随時指示します。何号車はどこどこの関門に向かってくださいという、そういった指示を出すことで、常にランナーを待たせないようにしています」

 と、運輸部安全対課の武藤さん。今回の大会でも収容バスがスムーズに仕事を遂行できるよう、過去のデータを分析しながら配車台数を予測し、運行ルートの事前シミュレーションなどの調整を行なっている最中なのだとか。走行可能な道路のルート図も作って各ドライバーさんたちに持たせるそうです。そして大会当日、武藤さんは刻々と変わる状況を見ながら本部からドライバーに指示を出すオペレーション業務に就くとのこと。

▲はとバス勤続42年の武藤さんはまさにこの道のスペシャリスト!

「本部では全部のバスの動きを盤の上でシミュレーションします。たとえば数寄屋橋(30.1km地点の第6関門)に追加応援に行くようにと指示した場合、交通規制があるので数寄屋橋にどうやって行くかが問題となります。通過する信号や曲がる交差点、方向など走れるルートを無線で細かく指示します。一番の最短距離を走れるように、たとえ1区間でも高速道路を使うこともあります。そこまでやらないとバスが目的の関門に辿り着けません」(武藤さん)

 そうじゃないといつまでたっても日比谷通りを渡れないと、笑いながらおっしゃっていましたが、収容バス運行の影にプロたちの活躍あり! だったのです。ところで、リタイア者が多く出るのはぶっちゃけ何km地点なのでしょうか。

「何キロが多いというより、気候に左右されるようです。気温が暖かいと早い時点からリタイアされる方がいらっしゃいます。何年か前には第1関門の飯田橋でバスに乗りきれないほどリタイアされる方が出てしまい、2台の関門バスが満席になりました」(武藤さん)

 第1関門というのはちょっと驚きです。また、最後尾ランナーの後ろを走る収容バスは2台で、途中で1台加わって最終的に3台になるとか。去年は浅草橋(25.7km地点の第5関門)からでしたが、今年は中間地点近くの富岡八幡宮から3台体制になるそうです。

 それとバス車内でのサービスは、バスガイドさんがいないのでお茶の提供やガイドはありませんが、水と毛布、身体を保温するためのエマージェンシーシートが配布されます。また、収容バスのモニターでは、東京マラソンのTV中継を流しているそうです(関門バスではTV中継放映はないとのことです)。

▲ランナースタート前に都庁のふれあい通りに並んで待機するはとバス(東京マラソン2016)

ドライバーが語る収容バス運行の苦労と喜び

 ランナー最後尾をゆっくりと追いかける収容バス。ケガや体調不良などのアクシデントに見舞われたランナーや制限時間切れのランナーを収容し、フィニッシュ地点まで輸送することを任務としたはとバスは、実はランナーをサポートするための大切な存在。しかしながらあの「収容」の大きな垂れ幕のせいか、どうもネガティブに語られてしまうことも多い。そんな収容バスを運転するドライバーさんの苦労や喜びとは?

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