BCAAと筋トレの関係
ウェルネスフード
2024年4月8日

必須アミノ酸「BCAA」の効果とは。飲み方と飲むタイミング、おすすめの食べ物[管理栄養士監修] (1/2)

アスリートやトレーニング愛好家にとって、筋肉づくりや疲労回復に必要な栄養素の摂取は重要事項です。日常の食事だけでなく、サプリメントを積極的に利用している人も多いでしょう。

すばやく体内に吸収され、筋肉づくりに役立つといわれるのが、必須アミノ酸の集合体であるBCAA(ビーシーエーエー)です。BCAAというとサプリメントを思い浮かべる人もいると思いますが、通常の食品にも多く含まれています。

それでは、1日の中でどのようにBCAAを摂っていけばいいのでしょうか。

BCAAの効果的なとり方や、EAAとの違いといった基礎知識をまとめ、さらに管理栄養士の佐藤樹里さんにおすすめの食事メニューについてのアドバイスをいただきました。

BCAAとはどういう栄養素なのか

筋肉や臓器、肌など人体をかたち作っている「たんぱく質」は、「アミノ酸」から構成されています。

このアミノ酸は全部で20種類あり、体内で合成することができないため食事から摂る必要がある「必須アミノ酸(9種類)」と、体内で合成できる「非必須アミノ酸(11種類)」に分けられます。

必須アミノ酸

バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、リジン(リシン)、フェニルアラニン、トリプトファン、スレオニン(トレオニン)、ヒスチジン

非必須アミノ酸

アルギニン、グリシン、アラニン、セリン、チロシン、システイン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸

必須アミノ酸、非必須アミノ酸の図

必須アミノ酸の中でも、枝分かれした分子構造(分岐鎖)をもつのが「ロイシン」「イソロイシン」「バリン」の3種類で、その構造から「Branched Chain Amino Acids」(分岐鎖アミノ酸)、略してBCAAと呼ばれます。

BCAAは「ロイシン」「イソロイシン」「バリン」

BCAAの効果とは

BCAAは筋たんぱく質中の16%を占め、筋肉づくりにとくに効果が高いとされている注目のアミノ酸です。

その働きには「筋肉を増やす」「回復を促進する」「集中力を高める」などの効果があるとされます。

EAAとの違いは?

BCAAを調べている人なら、「EAA」という単語も聞いたことがあるかもしれません。

BCAAもEAAも、アミノ酸を摂取するための栄養です。

BCAAには、必須アミノ酸バリン、ロイシン、イソロイシンが配合されていて、筋肉の合成促進のほか、筋肉の分解を抑制する働きが期待できます。そのため、連続した運動をした場合の疲労感の軽減を狙えると言われています。

トレーニングによる筋疲労を軽減させることにより、質のよいトレーニングを重ねることで効果を得たい場合はBCAAが利用されます。

EAAとは

EAAは、20種類のアミノ酸のうち必須アミノ酸9種類を配合したものです。摂取して高強度のトレーニングが行われたときに筋肥大を狙えるほか、筋たんぱく合成は『BCAA』を上回るとも。

とはいえ、タンパク質の合成には20種類のアミノ酸すべてが必要なので、BCAAやEAAだけ摂るのではなく、バランスのよい食事とサプリメント補助が望ましいでしょう。

最近よく聞く「EAA」とは。「BCAA」との違いは?コナミスポーツクラブの管理栄養士が解説

BCAAの効果的な摂り方は「運動中」か「直後」

トレーニングの効果を高めるためには、これらBCAAをどのように摂ればいいのでしょうか。

BCAAは摂取から30分程度で血中濃度がピークになります。つまり、筋トレなどの運動をどのくらいの時間行うかにもよりますが、基本的に運動中、もしくは開始すぐに摂るのがよいタイミングになります。

摂取量は1回で5~10gを目安にすればよいでしょう。

BCAAはサプリメントと食事、どっちで摂るか

しかし、運動中にガッツリ食事をするわけにはいきません。

基本的に食事から摂取すると、吸収されるまで時間がかかってしまうので、すぐに効能がほしい運動時にはサプリメントで補うのが効率的です。

運動前には食事やプロテインなどの摂取でアミノ酸の血中濃度を上げ、そのまま運動中にBCAAを摂取していくほうが、筋たんぱく合成や筋持久力の観点でみても効率的です。

プロテインを飲むタイミング。運動後の「ゴールデンタイム」に飲まないとダメ?元ボディビルダーの大学教授に聞いてみた

続いて、BCAAが多く含まれる食品を紹介していきます。

1 2