インタビュー
2023年10月3日

駒澤大学陸上競技部、強さの秘密とは。藤田敦史監督「去年の駒澤チームに挑戦していこう」 (3/3)

現チームの抱負「去年の駒澤チームに挑戦する」

「前年度3冠をしているチームなので、生徒たちからも”2年連続3冠”という目標が自然と出てきてはいるのですが、それを達成したチームは今までないので、どれだけ難しく大変なことかというのは想像できていると思います。だから年度が変わったタイミングでミーティングしたとき、『”2年連続3冠”っていうのは、前年度3冠達成した去年の駒澤チームに挑戦するという意味合いで捉えていこう』という話し合いをしました。”2年連続3冠”と言ってしまうと、出雲駅伝で負けた時点で『もう3冠できない』とモチベーションが下がってしまうので、前年度3冠したチームに挑戦していこうという目標にしました。言っていることは”2年連続3冠”と一緒なんですけれど、少しでも生徒たちがプレッシャーなくのびのびとやれるようにっていうのは常に意識しています。」(藤田監督)

前年度のチームに対する挑戦、それを越えられるように意識していると語る藤田監督。現段階におけるチームの仕上がりは。

「夏の全体合宿を見ていても、そこにきちんと意識が行っている子と、まだそこまで行っていない子では、どうしても実力差が出てきます。難しい部分ではありますが、やはりワンチームでチームがまとまって行かないと2連続3冠なんて絶対達成できない。とはいえ、必ずしも走り(記録)で引っ張っていく必要もないと思っていて、もちろんそういう生徒も必要ですが、まだそこまで行けてない生徒は、自分自身の競技に対する姿勢や、チームに対して『はたして自分は何ができるのか』と考えるだけでも、チームにとってプラスになります。」(藤田監督)

記録のみ重視しているわけではなく、生徒の心持ちも重要。チームの雰囲気に影響を与えると予想できる。

「一人ひとりがチームのために『これをやる』という目的意識がはっきりしたときこそ、ワンチームになれるタイミングだと思うんです。それができて、ようやく駅伝3冠にチャレンジできるチームになれたということ。ワンチーム作りに向けて、しっかりやっていきます。」(藤田監督)

藤田監督率いる新生・駒澤大学陸上競技部に、今年も熱い視線が注がれている。

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プロフィール

駒澤大学陸上競技部 藤田敦史監督

1976年、福島県生まれ。清陵情報高卒業後、1995 年に駒澤大に入学。前監督の大八木弘明(現・総監督)の指導の下、4年連続で箱根駅伝に出場。4年時には箱根4区の区間新記録を樹立。1999 年に富士通に入社し、2000 年の福岡国際マラソンで当時の日本記録をマーク。世界選手権にも2回(1999 年セリビア大会、2001 年エドモントン大会)出場。現役引退後は、富士通コーチを経て、2015 年から8年間、駒澤大のヘッドコーチを務める。2023 年4月、駒澤大監督に就任。

<Edit:編集部>

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