スクワット徹底解説
フィットネス
2025年4月15日

筋トレの王様「スクワット」の効果と正しいやり方|フォーム・回数・頻度 (3/3)

スクワットの種類と効果|ワイド・スプリット・ブルガリアン・ジャンプ

スクワットには基本形だけでなく、バリエーションも存在します。足幅や姿勢を変えることで刺激が変わり、狙う筋肉や得られる効果も変化します。目的に合わせて取り入れてみましょう。

ワイドスクワット

足を大きく開き、つま先を外に向けてしゃがむ動作。内もも(内転筋)や股関節まわり、中殿筋を強化でき、ヒップラインの引き締めに効果的です。スクワットが前太ももに効いてしまうという人にもおすすめです。

1.足を腰幅より広く開き、つま先は30°程度外向きにする

2.お尻を後ろへ突き出すように、股関節から折り曲げる

 3.太ももが床と平行になるまで下ろしたら、ゆっくりと元の姿勢に戻る。しゃがんだ時にスネが床に対して垂直になるのもポイント

ぐらつく人や骨盤が広い女性は、ワイドスクワットのほうがやりやすいかもしれません。

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スプリットスクワット

足を前後に大きく開いて行う種目。前足だけでなく後ろ足にも刺激が入り、バランス力の向上や下半身全体の強化につながります。ランジに似ていますが、後ろ足を意識するのがポイントです。

1.背筋を伸ばして足を前後に大きく開く

2.両膝を曲げながら、腰を落としていく

3.膝を曲げて、地面ギリギリまで腰を落としていく

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ブルガリアンスクワット

後ろ足をベンチや椅子に乗せて行う片脚種目。片足に大きな負荷がかかり、お尻や太ももを集中的に鍛えることができます。骨盤を正面に向け、スクワット同様、膝はつま先より前に出さないのが正しいフォームです。

準備:ベンチや椅子などに後ろ向きで立ち、片足の先を乗せて行います。

1.イスから60~90cm離れ、後ろ向きで立つ。

2.イスに足先か足の甲を乗せ、反対側の脚は前に出す。

イスに片足のつま先を乗せる

3.背筋を伸ばし、ゆっくりと前方の脚を曲げていく。

床と太ももが平行になるよう腰を落とす

4.90度まで曲げたら、元の姿勢に戻す。

足の開きが小さいとお尻ではなく太ももの前側に刺激が入り、太くたくましい足に鍛えられます。太ももを細くしたい人は注意しましょう。

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ジャンプスクワット

スクワット動作からジャンプを加えた種目。下半身の瞬発力や心肺機能を鍛えられ、バーニング系トレーニングとしても効果的です。着地時は膝を柔らかく使って衝撃を吸収しましょう。

1.かかとを少し浮かせて足を肩幅に開き、しゃがむ

2.膝が伸びきるようにジャンプをしながら両手を上げる

3.かかとを少し浮かせて着地する

4.この動作を繰り返します

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スクワットの深さにも種類がある

  • クォータースクワット:膝を45度程度まで曲げてしゃがむ。
  • ハーフスクワット:膝を90度程度まで曲げてしゃがむ。大殿筋メインに効く。
  • パラレルスクワット:地面と太ももが平行になるくらいの深さでしゃがむ。もっとも一般的。
  • フルスクワット:完全にしゃがみ込む。難易度はもっとも高い。

スクワットの負荷を上げて、強度を高める方法

自重で行うスクワットは効果が薄いというウワサも耳にしますが、負荷を高めることでさらなる効果が期待できます。まずは道具いらずの負荷を上げるテクニックを紹介します。

セット間の休憩時間を短くする

インターバルを10~30秒くらいにしてみましょう。

可動域をできるだけ大きくする

可動域を大きく使ってトレーニングを行うことで、筋肉全体に負荷がかかり、力を発揮している時間も長くなるため負荷が高まります。可動域ストレッチは、スクワットだけでなくどの筋トレにも有効です。

関連記事:筋トレ効果をもっと高めたいときに。可動域を広げる自重トレーニング3選

番外編! バーベルを使ったスクワットのやり方

バーベルを担ぐスクワットは、バーベルを体の後ろにするバック・スクワットがもっとも一般的です。

しかしその他にも、フロント・スクワットやオーバーヘッド・スクワットなどのバリエーションがあり、それぞれ鍛えやすい部分とトレーニング効果が異なります。

バック・スクワット

  • 鍛える箇所(メイン):殿部、ハムストリングス、大腿四頭筋
  • 鍛える箇所(サブ):ふくらはぎ、腰、背中
  • 扱う重量:もっとも重い

バーベルを体の後ろで担ぐスクワットです。さらにバーベルを高い位置(肩甲骨すぐ上)にするか、やや低い位置(肩の後ろ)にするかで、効かせやすくなる筋肉群は微妙に異なってきます。

ここで紹介しているのは、高い位置のバック・スクワットです。

バーベルを使ったバック・スクワット(前から見たフォーム)

バック・スクワット(前から見たフォーム)

バーベルを使ったバック・スクワット(横から見たフォーム)

バック・スクワット(横から見たフォーム)

両手を肩幅よりやや広めにしてバーベルを握り、後はエアー・スクワットと同じ動作を行います。

フロント・スクワット

  • 鍛える箇所(メイン):殿部、ハムストリングス、大腿四頭筋
  • 鍛える箇所(サブ):ふくらはぎ、腰、背中、上腕二頭筋
  • 扱う重量:やや軽い

バーベルを体の前方で担ぎます。手のひらを上に向けて、肘をバーベルの前方でなるべく高く上げましょう。この姿勢をフロント・ラックと呼び、肘と手首の角度を固定してスクワットを行います。

肩や手首の柔軟性に欠ける人にとっては、やや難しい動作でしょう。

バーベルを使ったフロント・スクワット(前から見たフォーム)

フロント・スクワット(前から見たフォーム)

バーベルを使ったフロント・スクワット(横から見たフォーム)

フロント・スクワット(横から見たフォーム)

バーベルの持ち方以外の動作はバック・スクワットと同じです。ただし上記の理由から、扱える重量はやや軽くなり、背骨に対する軸圧も少ないので、腰にかかる負荷を軽減できます。

また、どうしても姿勢が前屈みになりがちなので、そのことを意識することによってフォームの修正に役立つでしょう。

オーバーヘッド・スクワット

  • 鍛える箇所(メイン):殿部、ハムストリングス、大腿四頭筋
  • 鍛える箇所(サブ):ふくらはぎ、腰、背中、肩、上腕二頭筋、上腕三頭筋
  • 扱う重量:もっとも軽い

バーベルを広く握り、頭上に固定したままで行うスクワットです。肘を伸ばした状態でロックし、脇の裏を正面に向けましょう。この姿勢をアクティブ・ショルダーと呼びます。

バーベルをこの位置に維持するためには上半身の筋力、バランス、そして柔軟性も重要な要素になります。

バーベルを使ったオーバーヘッド・スクワット(前から見たフォーム)

オーバーヘッド・スクワット(前から見たフォーム)

オーバーヘッド・スクワット(横から見たフォーム)

オーバーヘッド・スクワット(横から見たフォーム)

もっとも難易度が高く、扱う重量はもっとも軽くなるスクワットです。筋力や柔軟性に欠ける筋トレ初心者は塩ビパイプなどから始めてください。

バーベルスクワットの正しいフォームとやり方、重量と回数|下半身を鍛える筋トレ

監修者・出演者プロフィール

パーソナルトレーナー
深澤 智也(フカサワ トモヤ)

深澤智也(フカサワトモヤ)■経歴
2010〜2020年 海上自衛隊
2020年 2ndPASS(パーソナルトレーナースクール)卒業    
2021〜2022年 仙台市キックボクシングジム所属(ボディメイクトレーナー)
2022年〜現在 パーソナルトレーニングジム 9INE-GYM設立

■保有資格
NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会)
NESTA-FAS(ファンクショナルアナトミースペシャリスト)
CBMS(認定ファンクショナルボディメイクスペシャリスト)
KUBIRE ARTIST
普通救命講習終了

■コンテスト歴
自衛隊プレミアムボディ2019 ファイナリスト
ベストボディジャパン2021日本大会 TOP10入り
マッスルゲート仙台2025 メンズフィジーク新人 優勝
マッスルゲート仙台2025 メンズフィジーク一般 3位

トレーニング動画指導・監修
鳥光健仁(とりみつ・たけのり)

ReebokONEエリート /フィットネスランニングトレーナー。1991年生まれ、千葉県出身。出張パーソナルトレーナー、SUUNTO 5 アンバサダー、VX4アドバイザリー、アクティブエイジ・ダイエット指導士、(株)BOOSTマネジメント契約、HOKA ONE ONE サポート。

出演者
MIHO

トライアスロン、トレイルランニング、マラソン、スパルタンレース、筋トレなどが大好きなガチの“市民アスリート”。日本初のe-sports BIKEのプロチーム「ONELAP ANGEL」のメンバーとしても活動。フルマラソン自己ベストは3時間13分20秒(ネットタイム/2019年さいたま国際マラソン)。1児の母。
【公式Instagramアカウント】@mip0000</p>

<Text&Photo:編集部>

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