インタビュー
2018年1月25日

サウナは“休むエンターテイメント”?マンガ家タナカカツキが語るサウナの魅力(後編) (2/2)

都内でいえば、東京ドームシティにある「ラクーア」ですね。私はサウナ施設でノートパソコンで仕事もしたりするので、電源供給ができることが重要なんです。ラクーアは電源を確保できる場所がたくさんあり、そして最近フィンランド式のサウナ小屋ができたんです。セルフ・ロウリュもできますよ。照明の位置まで配慮されていて、もう本場さながらのサウナ。改善の余地はあるんですけど、希望の星と言っていいほどです。

それから池袋の「タイムズ スパ・レスタ」。まずものすごく清潔です。キレイにしています。毎年リニューアルしていて、毎回キレイになっているんですよね。サービスも新しいサービスに挑戦していて、面白いですよ。ここもロウリュ・サービスをやっています。

荻窪の「なごみの湯」もいいですね。スーパー銭湯みたいなところですけど、男女一緒のサウナ・ルームがありまして、館内着でロウリュやるという。サウナ室は円形になっていて、真ん中にストーブが立っているんですが、そこにスタッフさんが来て、アロマ・ロウリュをするという感じなんです。あと、ロウリュの仕方が毎回違うんですよ。「◯◯◯ロウリュ」って、アタマに何かついているんですよ。「アツアツロウリュ」とか「瞑想熱風隊ロウリュ」みたいな。

横浜駅のすぐそばにある「スカイスパYOKOHAMA」も、毎時間ロウリュをやってますね。さらに30分に1回、自動ロウリュというのがあって、機械でサウナ・ストーンに霧状に水をかけて、常にいい状態を保っています。ビルの14階にあって、サウナ室に大きな窓があるので、横浜港の風景を見ながら入ることができる。スタッフのロウリュの腕もいいんですよね。

でも、日本で一番サウナがいいのは名古屋ですね。名古屋には(サウナ&カプセルホテルの)「ウェルビー」があります。ここには「森のサウナ」という完全フィンランド式の本格サウナ室、そして、北部ラップランドの気候を再現した、水面が凍ってる水風呂があるんです。福岡にも支店がありますよ。

あとは静岡の「サウナしきじ」ですね。富士山の天然の水を使ってまして、水風呂が最高なんですよ。天然水のかけ流しみたいな。入ってもいっさい塩素臭がしないです。頭ごと浸かれるというのもいいですね。滝が上からドーッと落ちてきてますから。そこはもう「サウナーの聖地」と呼ばれていて、みなさん遠くから来られますね。有名店なので、静岡の駅を降りて、タクシーで「しきじ」と言えば連れていってくれると思います。

▲お洒落なサウナハットを被るタナカさん。サウナハットは、サウナ室内で頭が熱くなりすぎないようにするためのサウナー御用達アイテム

「ちゃんと休める」ことがサウナの魅力

――最後にタナカさんが考えるサウナの魅力を教えてください。

一番の魅力は、「ちゃんと休める」ということじゃないですかね。サウナは「休むエンターテイメント」なんです。「身体を休める」と「エンターテイメント」を一番効率的に生活に取り込めるのが、サウナかなと思うんです。これは、お湯に浸かる風呂ではなかなか難しいことかなと僕は思っていて。一般の家庭風呂での疲労回復というのは、その後の睡眠も込みなんですよね。これは時間がかかります。

家風呂に入ってから朝起きるまでかかりますから。サウナというのはその時間をギュッと凝縮してくれるんです。家風呂から出た後というのは、もうしんどいじゃないですか。疲れますもん。でも、サウナはそこでしっかり休めますから、入った後にも何かできるんです。だから生活に一番取り入れやすい休息の時間、いい仕事をするために、しっかり本格的にサボる、休むということですかね。これはもう全国民やったらいいんじゃないかな。

 

[プロフィール]
タナカカツキ
大阪府出身。1985年に小学館『週刊ビックコミックスピリッツ』誌にて新人漫画賞を受賞し、マンガ家に。著書には『オッス!トン子ちゃん』、天久聖一との共著「バカドリル」など。カプセルトイ「コップのフチ子」の企画原案も務める。2011年にサウナの魅力を描いた『サ道』を発売し、日本サウナ・スパ協会協会からサウナ大使に任命される。
【公式Twitter】https://twitter.com/ka2ki
【公式サイト】https://www.kaerucafe.com/

<Text:大久保徹/Photo:河合信幸>

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