ウェルネスフード
2023年5月15日

筋トレ民は「亜鉛」とるべし。亜鉛を多く含む食べ物、効果的な食材の組み合わせ[管理栄養士監修] (2/2)

亜鉛×ビタミンA … レバー、にんじん、ほうれん草、小松菜、モロヘイヤなど

ビタミンAは亜鉛の吸収を高める効果がある一方、亜鉛がビタミンAの代謝に関わり、ビタミンAの抗酸化作用を促進します。

ビタミンAは、豚レバー、鳥レバー、卵黄、ウナギの蒲焼などにも多く含まれています。

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亜鉛×ビタミンC×クエン酸 … 梅干し、レモンなど

ビタミンCはクエン酸のキレート作用を強めて亜鉛の吸収率を高めます。菜の花、赤ピーマン、ブロッコリー、柿、キウイなどにもビタミンCが多く含まれています。

とくに野菜であれば、ブロッコリーに含まれるビタミンCはレモンより多く、レモンが100gあたり100mgなのに対し、ブロッコリーは100gあたり120mgとなっています(五訂日本食品標準成分表より)。

栄養をしっかり吸収するための注意点

汁ものに溶けだした分も飲む

亜鉛は水溶性なので、汁ものや鍋など、ゆで汁に溶けだした分まで摂れるようにしましょう。

加工食品は摂りすぎない

「亜鉛は、体内で不足のないように食事から摂取する必要があります。加工食品に含まれる食品添加物などで吸収が阻害されやすいため、加工食品の摂りすぎには注意が必要です」(深野さん)

プロテインに入っている人工甘味料は大丈夫?

規定量であれば問題ありません。気にし過ぎるストレスもボディメイクには悪影響! 一部では、毎日摂取しすぎると、インスリンの働きが悪くなり食事の栄養が吸収されにくくなるとも言われていますが、研究結果はまだはっきりと解明されていないのが現状です。

人工甘味料は太る?カラダに悪いってホント?ライザップトレーナーが解説 より

アルコールは摂りすぎない

亜鉛はアルコールを代謝する酵素の材料にもなり、アルコールが尿中への亜鉛の排出を促進するため、飲酒習慣のある人は摂取量に注意が必要です。

「お酒を飲むと筋トレ効果が低下する」ってホント?

アルコールによる筋トレへの弊害として挙げられるのが、ホルモンの一つ「テストステロン」分泌への影響。このテストステロンは、摂取したたんぱく質を合成させ筋肉を作るという働きを持っています。筋トレの刺激によって分泌されるのですが、アルコール摂取によりこのテストステロンの分泌量が減少するとされているのです。

また、筋トレやたんぱく質の摂取により、筋肉の合成を促す「mTOR(たんぱく質キナーゼ)」と呼ばれるシグナル伝達経路が活発になることが分かっています。しかしアルコールを摂取することで、mTORの活動が低下するという結果を発表している研究もあります。

他にも、アルコール摂取によって分泌される「コルチゾール」というホルモンには、血糖値をコントロールする働きがあります。このコルチゾールには、エネルギー源である糖を生み出すために、筋肉の分解を促進させてしまう作用も。

「お酒を飲むと筋トレ効果が低下する」ってホント?アルコールが筋肉に及ぼす悪影響とは より

筋肥大を狙うなら、亜鉛はどのタイミングで摂ればいい?

筋トレ前後どちらも摂取が望ましい

「トレーニング前後の食事で亜鉛を補給し、カラダの中に常にある状態を作っておくことが重要」(深野さん)

汗などで流出しやすい亜鉛。常に体内にある状態をキープするには、日常的に食事で補給しておくことが理想です。

[監修者プロフィール]
深野祐子(ふかの・ゆうこ)
管理栄養士・ジョギングインストラクター。Japanマラソンクラブでインストラクター兼フードアドバイザーとして市民ランナーに向け走り方の指導や食事の指導を行なう。
【Japanマラソンクラブ公式サイト】https://www.jmcrun.com/

※本記事はMELOSで公開された記事「「亜鉛」とは?筋トレ民必須の栄養素、その効果や働き、亜鉛を多く含む食べ物を解説[管理栄養士監修]」を再編集したものです。

<Text:パンチ広沢+アート・サプライ>

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