フィットネス
2023年6月15日

大胸筋、三角筋、広背筋、僧帽筋、脊柱起立筋はどこを指す?筋トレ初心者向け「上半身」の筋肉解説 (2/2)

3.広背筋(こうはいきん)

「広い背中」「スッキリとした脇まわり」など、後ろ姿のスタイルに影響するのが背中の筋肉“広背筋”。

おもな働き

開いた腕を閉じる、後ろに持ち上げる、引っ張る動作のときに力を発揮します。

広背筋は背骨(第7胸椎から下すべて)と骨盤、肩甲骨、肋骨から上腕骨に向けて走行している幅の広い筋肉です。

トレーニング上級者は広背筋も上部と下部に分け、ターゲットを絞って鍛えます。また、広い背中を作るエクササイズと、背中の厚みを作るエクササイズというような分け方もします。

背中の広さを作るには、チンニングやラットプルダウンのように上から引く種目がよく行われるでしょう。背中の厚みを作るなら、シーテッドロウなど前から引く種目が多く実施されます。

背中のどの部分を、どのような目的で鍛えたいのかによってエクササイズを選択できるようになれば、トレーニング上級者といえるでしょう。

広背筋を鍛える主なエクササイズ

4.僧帽筋(そうぼうきん)

「ガッチリとした首まわりにしたい」「いかり肩を解消したい」という方は、肩の筋肉“僧帽筋”を鍛えましょう。

おもな働き

肩甲骨を動かしたり安定させる働きを持ち、肩をすくめるような動作や肩甲骨を寄せる動作で力を発揮します。

僧帽筋は首から背中を覆っている広い筋肉で、頭蓋骨から背骨に付着し、鎖骨や肩甲骨に向かって走行しています。僧帽筋も、上部・中部・下部と分けて鍛える場合があります。

 ちなみに僧帽筋は、筋肉の形が修道士のフードのような形をしていることから名づけられたのだとか。そう知っていれば、名前を覚えやすいのではないでしょうか。

僧帽筋を鍛える主なエクササイズ

5.脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)

「重い物を持ってもブレない安定感」「スポーツ競技で当たり負けしないカラダ」を手に入れるためには、背中の筋肉“脊柱起立筋”が重要です。

おもな働き

背中を反らすように起こす、横に倒すときに力を発揮しています。

脊柱起立筋は、腸肋筋(ようちょうろくきん)と最長筋(さいちょうきん)、棘筋(ちょくきん)の3つの筋肉を合わせた総称で、背骨から骨盤にかけて背骨の両側を走行している筋肉です。

人間は、脊柱起立筋によって直立姿勢を可能にしています。また、重いものを持って腰が曲がらないのは、脊柱起立筋がカラダを安定させるために常に力を発揮しているためです。立っている間はつねに力を発揮している働き者の筋肉といえるでしょう。

その分、疲労が溜まると腰痛の原因になります。トレーニングだけでなく、ケアもしっかり行いたい筋肉です。

脊柱起立筋を鍛える主なエクササイズ

筋肉の名前は知っていても、その働きを理解していなければ、効果的あるいは目的に合った筋トレ種目を選択するのは難しくなります。

エクササイズを行うだけでなく、どの筋肉にアプローチするのか、その筋肉を鍛える目的にも注目して、トレーニングやカラダに関する知識を高めていきましょう。

監修・執筆者プロフィール

和田拓巳(わだ・たくみ)

プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。医療系・スポーツ系専門学校での講師のほか、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。現在、さまざまなメディアで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。日本トレーニング指導者協会(JATI-ATI)の認定トレーニング指導者
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<Text:和田拓巳>

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