【筋肉部位】筋肉の名前一覧と働き|完全保存版 (4/5)
お腹の筋肉
ここでは、最低限覚えておきたい腹部の筋肉について解説します。
腹直筋(ふくちょくきん)
6つに割れた腹筋・シックスパックや割れた腹筋は、この「腹直筋」を指しています。腹直筋は、肋骨から恥骨まで走行しているお腹の正面にある長い筋肉。主に体幹部を前に曲げるとき(背中を丸めるとき)に力を発揮します。
また、重い物を押すときなど、カラダを安定させるよう力を発揮している筋肉です。
ちなみにシックスパックと呼ばれる腹直筋の形は、筋肉がついているから割れているのではありません。もともと、誰でも6つ(もしくは8つ)に分かれています。
腹直筋には筋肉の間に縦に走っている“白線”と横に走っている“腱画”と呼ばれる腱性線維があり、それらが筋肉を6つもしくは8つに分けているため割れて見えるのです。
腱画には個人差があり、左右対称・不対称、あるいは6つ、8つなど分かれ方はさまざま。生まれつきのものなので、鍛え方によってこれらの形が変化するということはありません。
腹直筋が割れていない原因
もし、いま腹直筋が割れていないようであれば、それは腹直筋の上にある皮下脂肪が厚く、腹直筋が見えない状態になっています。
その状態で腹直筋のエクササイズをしても、皮下脂肪が減らなければ永遠に腹筋は割れません。「腹筋運動してもお腹が割れない」という人は体脂肪率をチェックしてみてください。
- 腹筋が割れて見えてくる数値(男性の場合)
⇒体脂肪率15%以下- シックスパックが分かる数値(男性の場合)
⇒体脂肪率10%以下
腹筋を割るならまず“体脂肪を減らす”。6つに割れたお腹「シックスパック」を作る条件と鍛え方 より
\割れたお腹を目指すトレーニング動画をチェック/
腹直筋は上部・下部に分けてエクササイズを行うことが多く、どちらのエクササイズも腹直筋全体を刺激することができます。
しかし、上部・下部のエクササイズを分けて均等に行うと、効率的に腹直筋を鍛えることができるはずです。
腹直筋を鍛える主なエクササイズ
外腹斜筋(がいふくしゃきん)・内腹斜筋(ないふくしゃきん)
くびれたウエストや逆三角形のカラダを作るのに欠かせないのが、「外腹斜筋」と「内腹斜筋」です。「脇腹」と呼ばれるところにある外腹斜筋は、表層にある筋肉。肋骨から骨盤にかけて斜めに走行しています。
内腹斜筋は外腹斜筋の深部付着している筋肉で、筋線維の走行が外腹斜筋と反対です。
筋肉の走行方向として、外腹斜筋は外側から内側に斜めに走行(肋骨側:外、骨盤側:内)するように付着しており、内腹斜筋は逆に内側から外側へ走行するように付着しています。
働き
外腹斜筋と内腹斜筋は、体幹部を捻る動作で力を発揮します。外腹斜筋と内腹斜筋は協力して力を発揮する筋肉で、それぞれが単体で力を発揮して動作を行うことはありません。
例えばカラダを右側にひねるときは、左側の外腹斜筋と右側の内腹斜筋が働き、左側にひねるときは逆に右側の外腹斜筋と左側の内腹斜筋が働きます。
これら2つの筋肉は、同じエクササイズで鍛えることが可能です。外腹斜筋と内腹斜筋を鍛えるエクササイズの特徴は、“腹筋運動にひねりを加える”ということを覚えておくとよいでしょう。
外腹斜筋・内腹斜筋を鍛える主なエクササイズ
腹横筋(ふくおうきん)
コルセットのように、腹部全体を覆うようについているのが「腹横筋」です。
腹横筋は深部にある内腹斜筋よりさらに奥に付着しており、肋骨、骨盤、背中側の筋膜から腹直筋の白線までと腹部全体を走行しています。
働き
腹横筋の働きは、お腹を締めるように力を入れて腹圧を高めたり、内臓を安定させる働きを持つ筋肉です。
きついズボンをはくときにお腹を凹ませたり、大きく息を吐いたり腹式呼吸をイメージすると、腹横筋の働きが分かりやすいのではないでしょうか。
筋肉自体は薄く、発揮できる力も強くありません。しかし、スポーツ競技のパフォーマンス発揮やウエストを引き締めるために必要であるとされ、最近では腹横筋を鍛えるエクササイズが多く取り入れられています。
腹横筋を鍛える主なエクササイズ
腸腰筋(ちょうようきん)
腹筋の奥、股関節まわりに走行しているのが「腸腰筋」です。
腸腰筋は「大腰筋(だいようきん)」と「腸骨筋(ちょうこつきん)」という2つの筋肉から成り立っています。
背骨の中の胸椎~腰椎から大腿骨の内側の突起に向けて走行しているのが「大腰筋(だいようきん)」。
腸骨と呼ばれる骨盤の骨の内側から大腿骨の内側の突起に向けて走行しているのが「腸骨筋(ちょうこつきん)」です。
腸腰筋の働き
大腰筋は立った姿勢で脚を持ち上げるなど、股関節の屈曲時に力を発揮します。腸骨筋も同じように股関節の屈曲時に力を発揮しますが、股関節を外に捻る(外旋)動作も伴います。
脚を固定したり膝を伸ばしたまま腹筋運動を行うと、腹筋群ではなく腸腰筋が使われてしまい、効果的に鍛えられません。これは、腹筋群の収縮よりも股関節屈曲の力を使ってカラダを起こしてしまうためです。
腸腰筋ばかり使ってしまう腹筋運動は、腸腰筋の過緊張によって腰を痛めてしまう場合があるので行わないようにしましょう。